大阪市をはじめとする府内の32市町村が新規申請の受付を停止する方針をとる中、依然として制度を維持、あるいはエリアを限定して継続する自治体が存在します。受付を継続する羽曳野市、泉佐野市、貝塚市、河内長野市の4自治体の現状と、他地区の受付停止後に予想される民泊ビジネスの構図について解説いたします。
今後も特区民泊の申請ができる「4自治体」の指定区域
大阪府や各自治体の公表している情報によると、受付を継続する4市における実施区域は以下のように定義されています。
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泉佐野市: 4市の中で最も広い範囲で特区民泊の申請が認められており、市街化区域のうち、工業専用地域を除く全地域で実施が可能です。
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貝塚市・羽曳野市: 法令、市町村の条例・都市計画により、ホテル・旅館の建築が可能な用途地域に限定して実施されます。
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河内長野市: 市街化区域のうち、第1種住居地域を除く、ホテル建築可能エリアに絞って継続されています。
このように、同じ「継続」であっても、自治体によって申請可能な場所の広さや条件には明確な違いがあります。
河内長野市で始まった「市独自の事前手続」というハードル
ここで特に注目したいのが河内長野市です。同市では2026年2月1日より、都道府県及び保健所設置市以外では全国で初めてとなる「民泊の適切な管理により良好な住環境を保全する条例」が施行されました。
この条例により、河内長野市内で特区民泊(または新法民泊)を運営しようとする事業者は、大阪府への申請を行う前に、以下の手続きを完了させることが義務付けられています。
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市への事前届出および事前協議
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周辺住民(事業区域から10メートル以内)や町内会長などの自治会への事前説明
これらを怠ったり、市の指導に従わなかったりするなど、違法または管理不十分な民泊が確認された場合は、悪質な事業者として事業者名を公表される可能性もあります。受付を継続する地域であっても、決して「誰でも手軽に始められる」わけではなく、周辺住民との調和がより強く求められているといえるでしょう。
他地区の受付停止後、市場はどうなるのか
大阪市などの主要エリアで新規の受付が停止された後、民泊市場は以下のような形で再編されると考えられます。
1. 既存の特区民泊施設の価値向上 受付停止日までに認定を受けた既存の施設は、停止後もそのまま営業を続けることができます。新規の競合が参入できないため、既存施設の希少価値や優位性が高まる可能性があります。
2. 継続する4自治体への投資の分散 日数制限なく通年営業ができる特区民泊を新しく立ち上げたい事業者は、必然的にこれら4市のいずれか、あるいは旅館業法の許可が取得可能な物件へと目を向けることになります。
3. 「新法民泊」と「旅館業」の二極化 受付が停止される地域で新たに宿泊事業を行う場合、営業日数が年間180日以内に制限される「住宅宿泊事業(新法民泊)」を行うか、あるいは建築基準法や消防法のハードルが高い「旅館業法(簡易宿所など)」の許可を取りにいくかの二者択一となります。
まとめ
大阪における特区民泊は、「どこでもできる時代」から「限られた地域や、厳しいルールをクリアした物件でのみ展開できる時代」へと移行します。これから新規に参入される方は、物件所在地の自治体がどの区分に属しているかを厳密に確認し、それぞれの地域条例の有無を含めて事業計画を練る必要があります。


