建設業許可の要件3~財産的要件

建設業許可の取得に必要な要件の3つ目が「財産的要件」です。
これは、建設工事を請負うにあたって、適正な施工を確保するための相応の資金を確保していることを見るための要件となります。「財産的要件」は一般建設業許可と特定建設業許可で、要件が異なります。

建設業許可に必要となる財産的要件とは

許可に必要となる財産的要件は一般建設業と特定建設業で異なります。それぞれ以下のとおりとなります。

1.一般建設業の財産的要件
次のア、イのいずれかに該当する場合は、要件に該当するものとされます

直前の決算において、自己資本(※)の額が500万円以上であること
※自己資本
(法人)貸借対照表の純資産
(個人)(貸借対照表の期首資本金+事業主借+事業主利益)ー事業主貸
+(利益留保性の引当金及び準備金)①新規法人の場合:開始貸借対照表(創業時財務諸表)で純資産が500万円以上ある
よって、設立1期目において建設業許可を取得する場合には、法人設立時に資本金500万円で設立することが財産要件を満たすうえで近道といえます。

 

②1期目以降の確定申告期限を経過した法人又は個人事業の場合、下記自己資本の合計額が500万円以上ある
(法人)貸借対照表の純資産
(個人)(貸借対照表の期首資本金+事業主借+事業主利益)ー(事業主貸)+(利益留保性の引当金及び準備金)

建設業許可申請日前4週間以内に取得した金融機関の預金残高証明書で500万円以上あること

2.特定建設業の財産要件
次のカ~クまでのすべてに該当する場合は、要件に該当するものとされます。

欠損の額が資本金の額の20%を超えていない

欠損額の計算> 貸借対照表において以下の計算で算出
法人の場合:(繰越利益剰余金がマイナスの場合の金額)ー(資本剰余金+利益準備金+任意積立金)
個人の場合:(事業主損失)-(事業主借ー事業主貸+利益留保性の引当金及び準備金)

流動比率が75%以上であること

<流動比率の計算> 貸借対照表において以下の計算で算出
(流動資産)÷(流動負債)×100

資本金の額が2000万円以上であること
自己資本の額が4000万円以上であること

※自己資本
(法人)貸借対照表の純資産
(個人)(貸借対照表の期首資本金+事業主借+事業主利益)ー事業主貸+(利益留保性の引当金及び準備金)

*なお、特定建設業の場合には建設業許可取得後も、毎期の貸借対照表でカ~クのすべての要件を満たして行く必要がありますので、許可取得の検討の際には注意が必要です。

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